2014/10/13

月は無慈悲な夜の女王

 ハインライン。ディックの「アンドロイドは~」に次ぐ印象的なタイトルの作品。結構長かったけど、それを感じさせない退屈させない面白さがあった。
 植民地として発展し、地球とは違う独自の文化や思想が育った月世界が、地球からの独立と権利の獲得の為戦争をしかける、みたいな話。革命の教科書だと言われることがある等、レジスタンス活動の組織形態の細かい設定や、開戦前、後、の政治的駆け引き等、ミリタリー的にも楽しい話だった印象。
 とか色々濃い作品ですが、何と言っても欠かせないのはマイク。月のメインコンピューター、知性を獲得した我らが相棒マイク。巻き込まれ系主人公マヌエル。
激動の日々が描かれていたけれども、マイクとマヌエルのちょっとした日常的な掛け合いがなんだかんだで一番心に残ってる気もする。
 夏への扉の時も思ったけど、ハインライン作品はすごくファンタジーに思える。いい夢見てたけど醒めてしまって、そこからの喪失感はもちろんあるけれども、なんかちょっと心の中に残ってる幸福感。そうゆう何か・・・ファンタジー!